Apr.2001


物件探しの途中、電話をする為にちょっと…のつもりで
車を停めたのは、古い古い一軒家の横でした。

電話をしながらも、古いその家の窓に付いた
ひどく錆びたクルクル飾りに魅了された直後、
「貸家 ○○不動産 連絡先12-3456」
という看板を発見してしまったのでした。


電話を切ってすぐ、不動産屋さんに電話しました。
「店舗として使わせて頂きたいのですが…」
というワタシの問いに、NOと即答でした。

さっき見つけたばかりで、中も見ていないのに
すんなりと諦められず、ゴリ押しして
何とか家の中を見せて頂く事になりました。

「どうぞ」

言われて入った玄関はナゼか砂利が沢山敷いてある。
↓そしてナゼか玄関にレースカーテン…


不動産屋さん:「あ…そのままでいいですから」

そうです。靴のままです。(怖)
別にここが海外って訳じゃなくて
靴を脱いで上がれる状態じゃないのです。

床は土台がダメになっていてトランポリンみたいな歩き心地だし
虫がたくさん落ちてるし、カビとホコリの匂いが充満してて…

だけど、どうしても心から離れず
周囲の反対にも、気持ちが揺れず
「改造するぞ!」と決めたのでした。


Aug.2001


発見から4ヶ月。
少しずつ準備して、やっと大工さんが入りました!

新たに壁を作る部分と床の枠組だけお願いしたので
工事はあっという間に終わりました。

作業が終わるまでの間、私の質問攻めにあった親方…
嫌な顔せず色々と教えて下さいました。
教えて頂いた事で、少しだけ自信ついて9月突入。


Sep.2001


いよいよ自分達の出番。
まずは壁にトタンはりましょ…。

…と、簡単に考えていた私達でしたが、すぐに壁にぶつかりました。
家が古くてゆがんでいる為、トタンをそのままの状態ではれる所は
一つも無くて、右を3mmカットして…左は少しずつ斜めに…

というようにゆがみに合わせてトタンをカットしました。

使っていたハサミはすぐにダメになるし
切口が鋭くなって怖いし
作業がなかなか進まず泣きそうでした。

それでも何枚かはっていくうちに
それなりにコツもつかめて、最後の一枚を
はる頃には、かなり「いい気」になっていたかもしれません…。

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「トイレ」

他はほとんどと言っていいほどに
当初の予定を変更して行きました。
それもこれも作業中に迷惑にもひらめいてしまう
ワタシのアイディアのお陰で
「やっぱりココは○○にする事にしようっと」
…と、変更に次ぐ変更を強行してきました。

でもトイレはナゼか初めから一貫して
壁に映画のチラシを貼る!
…というのが変更される事なく、
チラシいっぱいのトイレが出来ました。

初めて見た時、汚くて怖くて気持ちが悪かったので
その反動で賑やかなトイレになったのでしょう。
…だって本当に怖かったんだもの…。



でもそのお陰で、今は写真を撮って下さる
お客様が居たり、「ついついチラシ読んじゃって…」と
長居してしまうお客様も居て
楽しんで頂けるトイレになりました。


Oct.2001


外のデッキ ・ カフェ ・ ギャラリー…
10月はとにかく板を打ち付ける毎日でした。

カナヅチをずぅっと握っていた為に
指が開かなくなったり
小さな物がつまめなくなったり
寝ていると “ 指がつって ”目が覚めたりしましたが
どんどん釘を打っていくのは楽しい作業でもありました。

私たちは毎日、お弁当持参で現場入り(笑)
していたのですが、デッキの床が出来た日に
デッキで食べたお昼は最高でした。
(いつもは暗い店内で、ダンボールの座布団に座ってましたから…)

平行して外壁のペンキ塗りもしてました。
下地を塗る前に、ヤスリでけずって解ったのですが
どんどんどんどん家が削れてくるのです。

この家…ホントに大丈夫なの?
…と、一人で強引にこの家に決めた事を
初めて少しだけ後悔した時でもありました。


Nov.2001


11月に入って、やっとカフェの什器作りです。

壁に面した席のテーブルは頭で板を支えて
打ち付けたり、雑貨コーナーとカフェを仕切る棚は
変更箇所が何度も発生したりして
ナカナカ大変でした。

テーブルもやっと出来たと思ったら
思いのほか小さくて作り直し…。

でも、什器類は「ドールハウス作ってて本当に良かった〜」
と、しみじみ思うほどに、普段ドールハウス作りで
活用するサイズ出しや切り出しが大活躍でした。

自分達で改装すると決めた時に
あまり大変な事だと思っていなかったのは
ドールハウスを作る際の
ピラニアのこ(歯の小さい小さなノコギリ)を

電動丸のこに持ちかえて…

木工用ボンドを

釘にかえたら出来るでしょっ

…という楽天的な考えがあったからなのです。(笑)
いつもはやっかいなワタシの性格が役に立ったのかもしれません。


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もうほとんど出来上がって、食器を入れたり
メニューを色々と試作してみたりする段階に!

11月の末に、重要な契約がありました。
やっと時間を作って出掛けました。
その日は函館で本格的に雪が降った日で
路面はツルツル…。

停車していたワタシの車に
トラックが追突してきたのでした。

ツルツル路面の為、車はカーリングみたいに
つつーっと直進。

両脇には車がびゅんびゅん走っています。
まっすぐ滑ったのが幸いして
他の車にぶつかって行く事なく済みました。

しかし事故証明を取る為、足止めをくらい
契約は先送りに…。
時速40kmのトラックに追突された為、むちうちが…
こんなんで12/1のオープン大丈夫?
と、心配でした。

もう手を入れる所が無くなっても
「やったー!!!」
…という感動も無く、お客様を迎え入れる
準備に黙々と取り掛かりました。
工事の終わりを噛締めておけば良かったと後悔。


Dec.2001


外の掲示板に「12/1  OPEN!」とチラシを貼って
同じようにDMも送付しました。
「何か変だな…」と、思っていたけどやっぱり。

めまいです。

オープン前日に追突された後遺症で
頭がグラグラグラグラして
立っていられないので、
やむなく12/1のオープンは先送りになりました。

しかし12/1当日…。
DMでお知らせしていた方々から
お祝いのお花が、びっくりする程、
沢山届きました。

幸い、外はマイナス気温です。
そしてここは隙間だらけ…。
一番寒い廊下にお花を並べて
ワタシのめまいが回復するのを待ってもらいました。

オープンするまでお花もつかなぁ…と
心配しましたが、ひょっとして
外より寒いかも…?と思える廊下のお陰で
めまいが治った12/7、沢山のお花を入り口に飾って
遂にオープンしたのでした。